マクロライド系ってなに?マクロライド系の副作用

*マクロライド系抗生物質ってなに?
こんにちは!スタッフのKです。今回はマクロライド系の抗生物質についてお話したいと思います。
マクロライド系は1952年にフィリピンで発見され、ペニシリンやセフェム系とは違う化学構造を持つ物質です。抗炎症剤作用、免疫調節作用など抗菌以外にも効力を発揮するので病気などにも使われる場合があります。歯科ではクラリスロマイシンや、アジスロマイシンとして処方されることが多いです。ペニシリンやセフェム系のものは細胞壁を壊して効果を発揮するものでしたが、マイクロライド系は蛋白合成阻害剤と言われ、蛋白質合成というアミノ酸が素材となって反応が起こることを阻害して効果を出します。マクロライド系は安全性は高いのですが、クラリスロマイシンに関しては肝臓のチトクロームで代謝されるので同じ肝臓で代謝される薬とは併用できません。使用する前によく確認してからご使用ください。

こんにちは!スタッフのKです。今回はマクロライド系の抗生物質の副作用についてお話したいと思います。
マクロライド系の抗生物質は細菌の蛋白合成を阻害して増殖を抑えることにより効力を発揮します。その副作用としては、
・呼吸困難、痙攣、皮膚が赤くなる→ショック、アナフィラキシー
・全身倦怠感、食欲不振、皮膚や白目が黄色くなる→劇症肝炎、肝機能障害、黄疸、肝不全
・全身倦怠感、出血しやすくなる、発熱→血小板減少、汎血球減少、溶血性貧血、白血球減少、無顆粒球症
・発疹、発熱、目の充血→中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、多形紅斑
・腹痛、下痢、血便→偽膜性大腸炎、出血性大腸炎
など、左側にあるような症状が現れ、右側のような症状に繋がってしまう場合があります。体に異常がみられた場合はすぐに薬の投与をやめて医師の方に相談するようにしてください。

*ペニシリン系の抗生物質ってなに?
次にペニシリン系の抗生物質についてお話いたします。皆さんはドラマ化したことで有名な仁-JIN-という漫画をご存知ですか?現代の医師である主人公の南方仁先生が江戸時代にタイムスリップするお話ですが、中でも”ペニシリン”と呼ばれる抗生物質の単離を試みるエピソードが有名です。実際の史実ではペニシリンはイギリス人の医師アレクサンダー・フレミングがアオカビから発見しました。彼は第一次世界大戦中に戦傷兵の治療にあたり、そこで恐ろしい感染症に直面したことにより、戦後は感染症治療のための薬の開発を模索しました。ある時フレミングはペトリ皿で培養していたブドウ球菌の一部が溶解していることに気が付きました。偶然にペトリ皿に落ちたアオカビの周囲のブドウ球菌のみが溶解していることを発見したのです。これがペニシリン発見のきっかけでした。この出来事がきっかけでフレミングはアオカビを培養し、その培養液をろ過したろ液に抗菌作用を示す化合物が含まれているということを発見しました。この抗菌作用を示す化合物を、アオカビの学名Penicilliumにちなんでペニシリンと名付けました。実用化されるまで10年以上の歳月を必要としましたが、単離されたベンジルペニシリンは第二次世界大戦で多くの兵士を救いました。ペニシリンはβーラクタム系抗生物質といい、真正細菌の細胞壁の主成分と結合することにより活性を阻害する働きがあります。



*抗生物質の歴史
次に抗生物質の歴史についてお話したいと思います。上記でも記したように、抗生物質のはじまりはアレクサンダー・フレミングが1928年にアオカビから見つけたペニシリンが世界初の抗生物質です。ペニシリンについては上記で説明しているので、ここではペニシリンの効かない病原体、結核菌に対する抗生物質の歴史についてお話したいと思います。
結核は、産業革命の進む都市において労働環境の悪化や生活条件の悪さから労働者から市民に流行しました。結核は終戦直後までは死の病気と恐れられていました。アメリカの科学者ワックスマンは能楽を学び、特に土壌中の微生物に関心を持っていました。そんなワックスマンは土壌中の放射菌から抗生物質を発見しました。そしてその抗生物質はストレプトマイシンと名付けられ、1946年に臨床効果を発表しました。そしてワックスマンは1952年にノーベル生理学医学賞受賞を収めました。その後ストレプトマイシンなどの抗生物質を用いた抗菌薬が次々と開発され、人類の医療に革命をもたらしました。


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